いのちを繋ぐ 生と性と死
亀井 三千代 展


2022年9月21日(水)〜9月27日(火)
11:00-19:00     月曜休廊
(9/23(祝) と9/25(日)と最終日は17:00まで)

作家在廊予定 9/21・9/24・9/25・9/27
 

ワイアートでは9月21日より「 いのちを繫ぐ 生と性と死  亀井 三千代展」を開催いたします。
昨年9月銅版画作家 謝敷ゆうりさんとの二人展で注目を浴びました亀井さんの作品は鮮烈な印象を放ち、お求めくださった方から今後を楽しみにするとのお言葉も頂きました。
亀井さんは制作の意図を次のように書かれています。

身体とは一体何でしょうか? 私たち個々のものでありながら自然の一部でもある、とても曖昧なものではないでしょうか。身体への興味から私は解剖学を学びました。この時、死の図像である解剖図を生のイメージへ転換したいという強い欲求が生じ、それが私の制作テーマになりました。今回はさらに発展し身体を形で捉えるのではなく、輪郭から解放された身体を描き、無限の宇宙に展開する曼荼羅図のように発展していくことを目指しています。

墨と岩絵の具、膠、アクリル、和紙をもちいて描く血管や神経の描写は純粋な形態の美しさを発見させてくれます。また墨の繊細でなだらかな濃淡の諧調は生命の輝きを感じます。

前回よりさらに人体の魅力、美しさを感じる展示作品の一部をご紹介します。





「Botany」

18×18cm

墨、岩絵の具、膠、和紙

2022年

SOLD OUT

 

「Botany」とは訳すと「植物学」の意味です。
最近、人間の身体は他の動植物とも
起源を同じくしていることに改めて気づきました。
特に植物は私たち動物が現われるよりもっと早くから
地球に生息しています。
この作品は私たちの祖先でもある植物イメージと
身体イメージを重ね合わて描きました。








「Micrographia」

80.3×80.3cm

墨、和紙/木製パネル

2022年

 

「Micrographia(ミクログラフィア」は
17世紀イギリスの自然哲学者ロバート・フックの著書名。
自作の顕微鏡を使った観察記録で、
特にコルクを観察し細胞構造をcell(セル)と名づけたことで有名。
身体の形にとらわれなくなったとき、
動植物の”いのち”は
見たこともない細胞のような”かたち”で描けるのではないか、
そのような模索から生まれた作品です。








「Lips」

80.3×80.3cm

墨、和紙/木製パネル

2022年

SOLD OUT

 

この作品も「Botany」同様に、
植物イメージと身体イメージを重ね合わせて描きました。
朝顔の葉が回転しながら伸び出す画像から
インスピレーションを受けています。
仕上がってみるとこの朝顔の葉が唇の様にも見えることから
「Lips」と名づけました。







「眠り姫」

33.3×24.2cm

墨、和紙 2019年

 

以前、村上春樹の短篇「めくらやなぎと眠る女」を読み、
インスピレーションを受けて描いた作品です。








 

「クロノス」

36.7×24.7cm

ミクストメディア

2021年


 

「クロノス」はギリシャ神話で”農耕”の神。
後に、あのゴヤで有名な「我が子を食らうサトゥルヌス」の
「サトゥルヌス」と同じ神とされます。
時の神、なまけもの、守銭奴、
死神などなど良くないイメージの集合体ですが、
ルネサンス以降は憂鬱気質の哲学者、思索者とされ
大きく価値転換しました。
シンボルとしてヤギ、自分の尾を呑むヘビ
(メビウス同様、無限の意)と共に描かれます。
悪のイメージを抱えた哲学者「クロノス」のイメージは
魅力的に思えて、
この作品以降ヤギのドローイングを何枚か描きました
(蛇足ですが私が山羊座なのでますます興味を抱きました)。








「Virgo」

45.5×33.3cm

墨、朱墨、和紙

2017年

¥110,000(額付税込)

作品のお求めはこちら

 

「Virgo」は乙女座、処女宮の意味。
手と指のモチーフですが
とても神聖なものに触れようとしているように見え、
このタイトルを付けました。






「タントラ」

45.5×33.3cm

墨、岩絵の具、膠、和紙 2016年


SOLD OUT

 

「タントラ」はヒンドゥー教の経典の名前です。
具体的な身体の形は描いておりませんが、
とても強大で神秘的なイメージの作品となり、
このタイトルを付けました。







「太陽」

41×30.8cm

水彩

2017年

SOLD OUT



 

「太陽」はもともとは女性器のイメージを
風景になぞらえて描きました。







「イコン  (青いウロボロス)」

27.3×19.0cm 

墨、岩絵の具、膠、和紙 2019年


SOLD OUT

 

「イコン(青いウロボロス)」
これは、「クロノス」「サトゥルヌス」と共に描かれる
ウロボロスというヘビがモチーフです。
自分の尾をのむので一見不気味な姿ですが、
「時の永遠、不老不死」など
とても良い意味を持っています。







「Virgo」

22.7×22.7cm

墨、和紙

2017年


SOLD OUT






「風」

80.3×80.3cm

墨、岩絵の具、膠、和紙 /木製パネル 

2018年




 



「天水(あまみず)」

80.3×80.3cm

墨、岩絵の具、膠、和紙 /木製パネル 2018年

 



 

亀井 三千代(かめい みちよ)

<略歴>
神奈川県 在住  1966年 東京生まれ
慶應義塾大学文学部哲学科卒業
東京医科歯科大学臨床解剖学講座専攻生

2005 第31回从展(東京都美術館 以降毎年)
2007 第26回損保ジャパン美術財団選抜奨励展 (SOMPO美術館 東京 ’11も)
2008『胸部の地図帳』佐藤達夫著・講談社 解剖イラスト約300点を担当
2012 座の会(O美術館 東京 以降毎年) Art colours vol.1 春色の墨(パークホテル東京 ‘13も)
2015 日本水墨画大賞展2015・準大賞受賞(大阪)
2016『アナムネシスの光芒へ』相馬俊樹著・芸術新聞社 P.20-31掲載
2017「ブレイク前夜#65」BS フジ/You Tube
2018 Exposition d’oeuvres(Galerie Andre & Léon フランス‘19も)
2020 個展「カルマフリー」(羽黒洞木村東介 東京 ’09,’11,‘17も)
2021 肉体と魂 共生のリズム 亀井 三千代 謝敷 ゆうり展(ワイアートギャラリー)
その他 展覧会多数
2022 第45回人人 展、第11回座の会 展『座2022』  フランス・パリGalerie SATELLITE個 展
論文または著書など
「解剖図と春画−身体風景を求めて−」、『詩と思想』9月号 ”特集ジェンダー”(土曜美術社出版販売)
 
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